男と女の間には

夫と死別後に待っていた難問

アップルにはスペシャリストがいます。

夫のアイフォンのパスコードを突破できればラインでのやり取りが見れるかもしれない。
パソコンに残っていたやり取りは5年ほど前のもので
その間、2回スマホを変えており、彼のノートやパソコンいたるところの走り書きや
誕生日、好きな数字で突破しようとしたが、パスワードエラーの回数がもう限界にきた。

当時、同じように亡くなった方のスマホを解析する業者がテレビを賑わせて、30万円ほど支払えば突破できるかもしれないという。.実際に数社問い合わせたが、私の場合あと1.2回間違えたら初期化されるアップルのルールがあること。6桁の暗証番号で突破しにくい型式であることを理由に100万円の見積もりが。
普通の私なら手を出さない。
しかし、当時はラインが復元できて読めるなら30万を安いと感じ、100万にも心が動いていた。
自分の心をなだめて、ほかの方法がないかアップルに問い合わせしてみた。夫のスマホでの本人確認の際、「はい、本人です」と何がなんでも言い通すこと。
向こうは明らかにおかしくても通してくれた。アップルのスペシャリストのSさんには、遠隔操作など5時間くらいかけて頂き、かなり取り出せる情報はあった。
本当に忍耐強くおつきあいしてくれ感謝です。(泣)

この頃は夜12時ごろまでずっと作業する日が続き、当時同居していた息子からは「ゾンビ」と呼ばれ、スマホを解析するゾンビは血の気が引くほど軽蔑されていた。
食事も食べず、スマホを操作しては新しい事実に泣いていた。

暫くは寝ても覚めても探偵のような想いで、カウンセラーにも話を聞いてもらった。
30分という枠で話をするのだが、ノートにまとめて説明しているうち又々涙が溢れてしまった。
相手の心理療法の女性は4人の子持ち。カウンセラーでなくて一人の女性として話を聞いてほしいとお願いした。
彼女は「あなたは強い。事によったら立ち直れない自殺レベルの話ですよ。」と言い「私なら相手の旦那様に話をします。」と。この人も相手の夫に直撃派。
そこから、「もし弁護士を立てるなら紹介しますからね」の一言が私の心のどこかに入って行った。